長崎通詞ものがたり ことばと文化の翻訳者
出版社:創拓社(1990年/絶版)
著者:杉本つとむ
鎖国時代の長崎のオランダ語通詞に焦点を当てているが、それに偏ることなく、オランダ語より前の
通詞(ポルトガル語、シャム語)の誕生、開国に向けて始まったフランス語と英語の習得、その後の
ロシア語などにも触れている。オランダ語通詞に関する主な記述内容:著名な通詞の業績、階級
(オランダ語名を併記)と役割、一部の通詞の収入、オランダ語の習得方法。通詞のオランダ語習得
に関しては、実際に使用していた資料から抜粋した文章を紹介し、現物の画像(白黒)がところどこ
ろに載っている。また、オランダ人による一部の通詞の実態に関する記述、誤訳して自宅軟禁になっ
た通詞の小話など、日常での出来事も知ることができ、歴史好きの好奇心を満たしてくれる。
海外との通商、文化の吸収・普及に外国語の分かる人が欠かせないのは今日も変わらない。鎖国時代
から開国にかけて、西洋との関りを支えてきた通詞たちの姿を知るのにうってつけの本である。
私事ではあるが、2000年にこの本に出会い、オランダ語翻訳者のはしくれとして仕事をする機会に
恵まれる今、ようやく入手できて感無量である。
著者:杉本つとむ
鎖国時代の長崎のオランダ語通詞に焦点を当てているが、それに偏ることなく、オランダ語より前の
通詞(ポルトガル語、シャム語)の誕生、開国に向けて始まったフランス語と英語の習得、その後の
ロシア語などにも触れている。オランダ語通詞に関する主な記述内容:著名な通詞の業績、階級
(オランダ語名を併記)と役割、一部の通詞の収入、オランダ語の習得方法。通詞のオランダ語習得
に関しては、実際に使用していた資料から抜粋した文章を紹介し、現物の画像(白黒)がところどこ
ろに載っている。また、オランダ人による一部の通詞の実態に関する記述、誤訳して自宅軟禁になっ
た通詞の小話など、日常での出来事も知ることができ、歴史好きの好奇心を満たしてくれる。
海外との通商、文化の吸収・普及に外国語の分かる人が欠かせないのは今日も変わらない。鎖国時代
から開国にかけて、西洋との関りを支えてきた通詞たちの姿を知るのにうってつけの本である。
私事ではあるが、2000年にこの本に出会い、オランダ語翻訳者のはしくれとして仕事をする機会に
恵まれる今、ようやく入手できて感無量である。