スペイン語大辞典
出版社:白水社(2015年)
価格:25,000円+税
ページ数:2442
スペイン語で書かれた様々な分野の資料に触れる翻訳者や研究者には有益でしょう。
価格:25,000円+税
ページ数:2442
スペイン語で書かれた様々な分野の資料に触れる翻訳者や研究者には有益でしょう。
- 大辞典とはいえ、ロベール仏和大辞典、「ランダムハウス英和大辞典」よりも小さく、
若干重たいものの手軽に使えます。「リーダーズ英和辞典(第3版)」と同等か。
この3冊のどれも使ったことがない人には重たく、場所をとられると感じるでしょう。
- 表紙にあるように、見出し語数が11万語なので、一般語彙から様々な分野の用語が載って
います。複数の意味(訳語)をもつ語彙は、語義、専門用語と地方特有の意味など、ふん
だんに記載されています。しかし、図説も関連用語をまとめた項目もありません(これは
学習辞典やロベール仏和大辞典に劣る)。語義と地方特有の言葉が豊富で、人物名と歴史的
出来事も載っているので百科事典の要素があります。 - スペインの各地方、中南米諸国、アメリカ、フィリピンで使う語彙(意味)や言い回しが
非常に豊富。アルゼンチン特有の語彙(動詞)と慣用句を無作為に選び、アルゼンチン人
に実際に使うか聞いたところ、辞書に書かれているとおりの意味を説明してくれた。
因みに、地域特有の語彙と口語は、僅かな単語しか比較していませんが、ラルース社のフ
ランス語⇔スペイン語大辞典Dictionnaire Français-Espagnol より記載内容が圧倒的に多いと
思います。 - 語源の記載:見出し語の最初に書かれているので分かりやすい。しかし、収録語彙数に大
差のないロベール仏和大辞典と比べると、全体に対して語源が記載されている見出し語は
少ない印象があります。しかも、そのほとんどが元となる言葉と原義しか書かれておらず、
由来を複数の言葉に遡っているのは少ない(1981年に白水社から出た『仏和大辞典』と同じ)。
この点に関しては小学館の『西和中辞典』の方が優れており、スペインとスペイン語圏の
国名・地名、ヨーロッパの人名の語源にも詳しです。語源に強い関心がある人には中辞典の
方が良いです。
簡単に言えば、ほかの西和辞典より秀でている特長は、見出し語、語義と地方・地域特有の
言葉(語彙、意味、慣用句)が豊富で、欠点は関連用語をまとめた項目がないことです。