学習書選びの注意点
主要な言語の学習書や会話本は数十冊あり、その多くが入門者向けです。偏見かもしれませんが、
2005年頃から「ゼロから」、「簡単に」、「楽に」、「すぐ話せる」という言葉を含むタイトルの
本が増え、初心者向けとしながら、初歩で最低限習得しなければいけない事項すら中途半端(断片
的)にしか記載していない物が多いです。「まずは初歩から」という気持ちから、易しい言葉で短
く説明している入門者限定の本を選びがちですが、基礎すらまともに学べない本があるので要注意
です。本格的に学ぶ人には、初心者から中級者までを対象とした本をお薦めします。
文法書
2005年頃から「ゼロから」、「簡単に」、「楽に」、「すぐ話せる」という言葉を含むタイトルの
本が増え、初心者向けとしながら、初歩で最低限習得しなければいけない事項すら中途半端(断片
的)にしか記載していない物が多いです。「まずは初歩から」という気持ちから、易しい言葉で短
く説明している入門者限定の本を選びがちですが、基礎すらまともに学べない本があるので要注意
です。本格的に学ぶ人には、初心者から中級者までを対象とした本をお薦めします。
文法書
- ヨーロッパの言語に関しては、辞書の巻末にある動詞の活用形の時制(名称)が全て記載され
ている本を買うことです。例)イタリア語、フランス語:直説法現在、半過去、条件法など。
時制どころか、一つの活用形の基本すらまともに説明していない本を見たことがあります。
書店や図書館で辞書の巻末の動詞の活用表と学習書の中身を比べると良いです。 - 本格的に学ぶ人には、言語を構成する文法事項を網羅している本を最初から買うことを勧めます。
例)『イタリア語入門講座』、『現代フランス広文典』
このような本は初級・中級までの文法事項をまとめているので、しっかりと理解でき、言葉の
正しい使い方を学べます。説明が詳しいので、全くの初心者には難しいですが、会話や読み書
きの実践を積み重ねることで理解できるようになります。表面的な理解(ほぼ丸暗記)ではなく、
理論・言葉の意味をしっかりと理解した運用力をつけるのを目的としています。 - 中途半端な内容の本を薦めない理由
『イタリア語入門講座』の紹介ページにも書いていますが、基本がまともにみにつかず、分から
ないことが基本的事項ということすら気づきません。
そのような本は各章(各課)・各ページの例文が少なく、悪い意味で説明が単純明快です。学習
する内容が少なく、説明が易しいので、簡単に覚えられます。その結果、どんどん読み進み、レ
ベルが上がっていると錯覚します(学習に飽きないように通読させるための構成)。上述したよ
うな、しっかりした本よりも分かりやすく、学習しやすいと感じる理由が、まさにこれです。
一通り学習してから本格的に学ぼうとして、分からない言葉や文法事項ー特に動詞の活用形ーに
直面したとしましょう。どの時制で、どの人称の活用形か、規則動詞と不規則動詞のどちらかも
分からない。辞書でどのように調べますか?インターネットで検索すると簡単に見つかるかもし
れませんが、動詞の活用形の基本を分かっていなければ、分からないたびに調べていてもきりが
ありません。しかし、残念ながら、基本はまともな学習書にしか載っていません。中途半端な本
で学習すると、分からないことを調べる力もつきません。分かったとしても、基本中の基本とい
うことに気づき、それまで学習してきたことを根本的にやり直す羽目になります。
- CD付きの本が多いですが、英語やスペイン語など様々な国で話されている言語は、どの国のネイ
ティブスピーカーによる吹込みかを調べると良いでしょう。国によって発音、イントネーション
や言い回しが異なります。例えば、日本で出版されているCD付きのオランダ語の会話本の多くが
ベルギー式です。 - 初級者には旅行会話集をお薦めします。